講演会のようす
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日 時 : 平成25年10月28日(月)13時~16時15分
場 所 : 下妻市保健センター
参加者 : 22名
内 容 : 講演 「がん患者の社会復帰―患者の立場より」
講師 つくばピンクリボンの会
山田 陽子 氏
中野 潤子 氏
グループワーク
テーマ「保健師の活動で大切にしていきたい活動はどんなこと?」
【 講演内容 】
生活習慣病の欧米化により、日本人の乳がんの罹患率は年々増加し、今では女性に発生するがんとして最も多い病気となっています。検診に関わっていく保健師として、乳がんの治療法についての理解を深めることが必要です。発見から治療、そして社会復帰に至るまで体験をもとに
ご講演いただきました。
●がん患者の社会復帰
がん対策は「がん対策基本法(2007年)」施行を始め、「茨城県総合がん対策推進計画―第2次後期計画―(2008年)」実施、「茨城県がん患者支援推進事業(2008年)」が開始され、2012年には県内4か所にてピア相談が開始されている。
がん患者からの要望としては、仲間と話し合う場所、就労の問題、治療費の問題、混合診療の保険適用、家族(遺族)へのサポート、在宅緩和医療等がある。
がん患者の社会復帰のためには、第一に周囲の理解と助けが必要である。患者自身のがんに対する身体的・社会的・精神的問題や入院から退院までの問題などを自ら訴えることができるかが重要である。また、家族や職場、地域の理解を得ることも大切である。家族には出来ることと出来ないことを伝え、一緒に話し合い理解を得ること、職場では就労環境・就労時間・再就職などの理解が必要である。地域では、がんの告知やがん登録の理解などが必要とされる。
つくばピンクリボンの会は、2004年に実行委員会がスタートし、2006年には特定非営利活動法人つくばピンクリボンの会となった。目標は、検診によって乳がんを撲滅し、それによる死亡を少しでも少なくすることである。ピアサポートや交流サロンを通して、たとえ乳がんになっても安心して暮らせる社会に貢献したいと、活動されている。
●「あなたは乳がん検診を受けていますか?」
乳がんクイズで、乳がんへの知識を確認しました。
女性のがんで1番多いのは乳がんである。乳がんにかかる人は、10年前までは28人に1人だったが、現在は12人に1人となり、年々増加している。1年間に新しく乳がんと診断されるのは約6万人、亡くなる人は約1万3千人で、この数は交通事故による死亡者数を上回っており、女性にとっては大きな脅威となっている。茨城県の乳がん検診受診率は約40%。
乳がん発症の多い年齢は、社会の一線で活躍して、家庭でも中心となる40~50歳代。最近では、高齢化に伴い60歳代も増加(60歳代の人口が増加しているため)。自己検診で発見することも可能であるため、自分の乳房の状態を常に知って、異常があったら、すぐに乳腺外来の診察を受けるように促しが重要。異常とは、しこり・へこみ・ひきつれ・異常分泌・乳頭異常などで、しこりだけではないことを知ってほしい。画像診断(マンモグラフィ、超音波)は発見の精度が高く、最近では微小早期がんも発見できる。対象年齢は異なるが、マンモグラフィと超音波検査を併用することによって発見率は上がる。早期発見・早期治療なら、生存率が高く、体への負担も少なく、医療費も少なくて済む。
乳がん検診は男性自身関係ないと思いがちだが、家族やパートナーにも検診を勧めてほしい。検診は市町村によって申込み方法や申込み期間、検査項目と自己負担金など異なるので、情報を活用してほしい。
《講演を聞いてのアンケート結果》
・当事者の声を聞くことで、自分達が何をするべきかが見えてくる。
・体験者(患者)サバイバーの話を直接聞くことができて良かった。
・とても分かりやすくお二人からお話をいただき、ありがとうございます。職場の健康管理も任されている身としても、活かせる情報をいただけました。
・市民目線での話が聞けて良かった。ぜひ、市民の方に伝えたい内容でした。
・乳がんだった方の話を聞けた。検診への勧め方、住民への伝え方を学ぶことができた。
・当事者たちの体験談をふまえて、がん患者さんたちが望んでいることを少し知ることができた。生の声は貴重ですね。
・一般の方の視点からがん検診の周知方法や実施方法についての意見を聞くことができたので、今後の参考にしたいと思う。
【グループワーク】15:10~16:15
「保健師活動の中で大切にしていきたい活動はどんな活動?」というテーマで3グループに分かれグループワークを実施しました。
《グループワークを実施してのアンケート結果》
・普段考えていること、又意識していないことを言語化する良い機会となった。
・グループワークもそれぞれの視点を共有できて、とても勉強になりました。
・他の市町村と情報交換でき大変勉強になりました。
・他市町村の保健師の日頃の業務や思いについて、聞くことができて良かったです。
・グループワークのテーマは講演の内容に関連したものが良いと思います。 |
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